胃、右手、左手、右足、左足、とそれぞれ感情を持っていて、右手や左手が「自分たちは食べ物を掴んで胃の中に入れてあげている」と言い、右足と左足が「自分たちはその食べ物を見つけに行くために歩いたり走ったりしている」と言うのです。
そして、「胃だけが何も動かずにただ食べ物が運ばれてくるのはずるい」と言って、手足がわざと働かないようになっていき、胃の中に食べ物を入れないようにする話がありました。
最終的には胃の中に食べ物を入れないことでエネルギーが手足に届かないことが分かり、手足たちは胃の働きについて納得してしまうというオチが待っているわけですけど、私は胃に食べ物を持っていくためにさらに必要な機能が脳だと思っていて、すべてを司るのも脳なんです。
感情なども全て脳が支配しているわけですから、この点をいかに理解するかで自分の身体の健康であったり人間関係なども全て脳が全権を握っていると考えていいと思います。
前回のブログでも覚せい剤の話を出しましたが、覚せい剤を止められない人たちに対して「意志が弱い」と思う方が大半ではないでしょうか。
ギャンブルに対してもお酒に対してもそうなのですが、自分の覚悟さえあれば止められるはずだと思っている人はとても多いと思います。
しかし、自分の気持ちではどうにもならないのが「脳」なのです。
この話をすると「言い訳」に聞こえてしまうかもしれませんが、それくらいに脳は絶対的権力者くらいの権限を司っています。
民法や刑法、条例などさまざまな法律があっても、日本国憲法に書かれた条文を超える法律を作ることができない理屈と同じで、脳の判断を超えた行動は本来は出来ないようになっていると思われます。
例えば、どうしても今日は仕事をしなければならないと頭の中で思っていても、39度以上の高熱を患っていれば脳が動くなと指令を下してくるのと同じで、理性では何とかしようと思ってもそれを動作させない機能を司っているわけです。
脳は苦行を好まず、快感を欲します。
だからこそではありますが、覚せい剤やギャンブルに関しては日常生活から離れた快感を得ることから、脳はその快感を再び得ようと試みるわけなのです。
先ほども書きましたが、脳は自分の身体の絶対的権力者であるわけですから、自分はダメだと思っていても脳が欲してしまうとそれを最優先事項として身体が動いてしまうわけです。
覚せい剤使用者やギャンブル依存症の方がどれだけ意思を強く持っていようとも、脳が快感を得ようとする機能を超えることはできませんから、どれだけその人自身が頑張っても再び手を出してしまうということになるのです。
意思が弱いのではなく、すでに脳が覚せい剤やギャンブルの快感に侵されている状態なのです。
特に覚せい剤はその快感を排除することが難しい、不可能と言われています。
だからこそ一度でも手にしてはならないと言われている理由です。
覚せい剤やギャンブル依存症に関して書きましたが、あくまでこれらの例は分かりやすく多くの人が悩み苦しんでいるものであります。
そのほかにもセックス依存症であったりあらゆる依存症というものがあって、マイナーな依存症ももしかしたら存在しているかもしれません。
それらは自分の意思を超えた脳が快感を得ようとする行動である他ならないと私は思っています。
だからこそではありますが、その依存症によって他の誰かに迷惑をかけるようなことになりかねないのであれば、家族や友人の協力は絶対的に必要となってきます。
意思が弱いとかではなく、自分一人の力ではどうにもならないのが脳の働きであるということを理解することで、今後の対人関係も随分変わることになるかもしれません。
絶対的権力者である脳の働きはぜひ知っておいた方が良い内容だと思います。
脳って本当にすごいと思います。
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